《解体小説》空き家編・第一章

第一章 「じいちゃんの死」 「父ちゃん!母ちゃん~!死んじゃやだよ~!」 当時5歳だった俺と8歳の姉貴は泣き崩れ、そして自分たちの将来に漠然とした不安を抱えていた。 何せ、両親の結婚記念日での二人きりのデート中に、頭の上 […]

《解体小説》空き家編・第二章

第二章 「隣人からのクレーム」 先日、じいちゃんの三回忌を無事に終えて東京に帰ってくるやいなや、馴染みのある市外局番の知らない電話番号から携帯に電話がかかってきた。 「もしもし?健一か?隣の秋山だけど、まだこっちにいるん […]

《解体小説》空き家編・第三章

第三章 「地元の解体屋“リュウジ”」 それから数日後、「リュウジさん」から電話がかかってきた。 「おう!高橋健一か?サブさんから聞いたぞ。兵吉じいさんの家を解体するんだって?任せておいてくれ。 とりあえず現場はざっと見て […]

《解体小説》空き家編・第四章

第四章 「身近な空き家問題」 面と向かってじっくりと彩子を見たが、三十路を超えた今でも見た目は相変わらず申し分なし。 会社でもその「見た目」に関しては評判がよく、まさかこの俺と付き合っているとうちの課長が聞いたら腰を抜か […]

《解体小説》空き家編・第五章

    第五章 「不明確な見積もりと実家の片付け」   数日後、彩子からのメール。 ========================= インターネットで色々調べてみたけど、25坪で194万円は かなり高い部類に入るらしい […]

《解体小説》空き家編・第六章

      第六章 「いい加減な解体工事と不当な追加請求」     2週間後、いよいよ実際に解体工事が始まると、ハツヨ婆さんから毎日のように電話が。   「ホコリがすごくて洗濯物もまともに干せない」 「うるさくてテレビの […]

《解体小説》空き家編・第七章

  第七章 「知り合いの紹介で本当に良かった?」     翌週の日曜日、彩子と湘南までドライブに行った。 潮干狩りシーズンという事もあり道は混んでいたけど、やっぱり彩子と一緒にいると居心地が […]

《解体小説》建替え編・プロローグ

プロローグ     「こらっ!悠太郎、家の中を走り回っちゃダメだっていつも言っているだろう。何回同じことを言わせるんだ!」   「そんなに怒ってもしょうがないじゃない。そういう年頃なんだから […]

《解体小説》建替え編・第一章

  第一章 「二世帯住宅への道」     ―半年前―   「二世帯住宅ってどういうこと?」   「だってこのままお袋を独りにして、また入院したら大変だろ? 弟のヤツも実家 […]

《解体小説》建替え編・第二章

第二章 「どこに建ててもらうべき?」 建築会社選びに関しては基本「任せる」と嫁とお袋に言われていたこともあり、これ以上自分の株が下がるのも癪だったので、少し気合いを入れて家を建ててくれるところを探し始めた。 やっぱりハウ […]

《解体小説》建替え編・第三章

  第三章 「解体工事ってこんなにかかるの?」     数日後、○○ハウスからの提案書が郵送されてきた。内容を見ると、 ●建築費 3024万円 ~詳細~ ●外構工事費 224万円 ~詳細~ […]

《解体小説》建替え編・エピローグ

  エピローグ     その後、何回かモデルハウスや設計事務所に足を運び、話を聞いたり提案書も出してもらって色々と比較検討してみたが、総合的に考えると○○ハウスが一番という結論に達した。   建替えに関しては一任されてい […]

《解体小説》内装解体編・第一章

第一章 「独立と開業」 「あれ、ここ。もしかしてまたお店変わった?」 「――ほんとだ、全然気が付かなかった。結構この道通るのになぁ」 「確かにあんまり変わった感じしないもんね。……でも、前のお店の方がもう少しお洒落だった […]

《解体小説》内装解体編・第二章

  第二章 「戦意喪失」     前テナントの人気美容室というのは読んで字の如く、四年前の開店以来売り上げは右肩上がりで、最低一ヶ月前には連絡を入れなければ希望の時間帯で予約が取れないほどの […]

《解体小説》内装解体編・第三章

  第三章 「店仕舞いまでの道のり」     閉店の意思は、槙田にその事実を打ち明けた日から確固たるものになっていた。 行動を始めてからは、不動産会社に解約予告の連絡を入れ、二週間後の退去立 […]