長屋切り離し後のサイデイングによる壁補修

地域によっては長屋(連棟)住宅がまだまだ多く存在し、空き家が老朽化し土地の返却に伴う解体工事も多くなっております。

工事は切離し解体になるため、切り離した後の隣家の壁補修が必要になります。この補修については解体する側が費用を負担するのが一般的です。

壁補修にも様々な方法がありますが、外壁材として国内において最も高いシェアを誇るサイディング材について解説していきます。

先読み!この記事の結論

  • サイディングは国内で最もシェアの高い外壁材
  • 外壁材に使用されるサイディングは4種類ある
  • 窯業(ようぎょう)系サイディングが外壁材として人気だが、長屋切り離し後の補修は金属系も多い
  • 補修費用は種類や立地によっても違うが、㎡あたり10,000~15,000円前後

<目次>

  1. サイディングとは
  2. 外壁材に使用されるサイディングの種類
    (1)窯業(ようぎょう)系サイディング
    (2)金属系サイディング
    (3)木質系サイディング
    (4)樹脂系サイディング
  3. 補修工事の費用

1.サイディングとは

現在、国内において最も高いシェアを誇る外壁材です。全体の80%を占めており、

耐熱性や耐久性に優れているのが特徴です。

以前はセメントと砂を混ぜ、水を追加して練り込んだモルタルが人気でしたが、職人の方が手作業で仕上げていくので時間がかかり、地震等によるひび割れ等、デメリットもありました。

現在主流となっているサイディングは板を貼り合わせていくので施工も短時間で済み、大量生産されていることで費用も抑えられます。

このサイディング材には窯業系サイディング、金属系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディングの4種類があります。

中でも窯業系サイディングは外壁材シェアの70%を占めています。

2.外壁材に使用されるサイディングの種類

(1)窯業(ようぎょう)系サイディング

セメント質のものと繊維質を混ぜて作られた板で、サイディング材の中でも現在最も使用されているのが窯業系サイディングです。
窯の中で高熱処理をして製造されるため、窯業系と呼ばれています。
レンガ調、タイル調などデザインが豊富なのも人気の理由です。
また、窯業系サイディングは耐火性が高いのも特徴です。

(2)金属系サイディング

ガルバリウム・アルミニウム・ステンレスなどの鋼板が使用されたサイディングです。
切り離し解体後の補修としては窯業系サイディングよりも使用されていることが多いと言えます。
金属製なので窯業系と比べて防水性に優れており、メンテナンスも長期間不要ですが、金属のため費用は若干割高です。

(3)木質系サイディング

天然の木に塗装をした板状の外壁材です。
熱を吸収しにくく耐熱性に優れていますが、水に弱く再塗装などで腐食を防ぐ必要があります。
また、天然の木を使用しているため費用も高くなります。

(4)樹脂系サイディング

塩化ビニール樹脂によって成型されています。
非常に軽く施工しやすいだけでなく、家屋への負担も軽減されますが、薄いため遮音性が劣ります。
現在、国内においては他のサイディング材と比較してシェア率は非常に低いです。

3.補修工事の費用

補修費用はサイディングの種類や建物の立地条件によって違います。建材の搬入など特に問題なくできる立地の場合、下地材や足場設置代なども含めると㎡あたり10,000~15,000円前後になります。

インターネットで検索するとサイデイング張りの費用だけで単価を表示している場合があるのでご注意ください。

ただし、壁面だけでなく庇や樋、基礎などの補修も必要になるとさらに費用がかかるので注意が必要です。

→長屋切り離し解体の費用例はこちら

壁補修前
壁補修後(金属系サイディング)

まとめ

長屋切り離し解体の後は隣家の壁補修が必要です。どのような補修内容にするか、業者やお隣の方に相談して決定しましょう。

立地条件やサイディング材の種類によって値段も変わります。解体工事の見積もりを取る際に、隣家の壁補修の見積もりも同時にお願いましょう。

隣家の方は今後もお住まいになるので、金額だけで業者を決めず、対応等もしっかり確認して選定することが大切です。

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