解体工事を下請けの業者に出すリスクはある?

A社に解体工事を依頼したのに、実際に現場に行ってみると違う業者が工事をしていた。実際にそのような現場は少なくありません。

下請け業者でも丁寧に工事をされる業者はもちろんあり、一概に悪いというわけではありませんが、デメリットもあります。

また、建替えや土地の売却でハウスメーカーや不動産業者に見積もりをお願いした場合、下請け業者から出てきた見積もりに一定金額を上乗せされているケースがほとんどです。

ご自身にとって何が一番良いのか、しっかり考えてお願いする解体業者を選定しましょう。

先読み!この記事の結論

  • 下請け業者が工事をする場合は事前に工事内容の確認を
  • 自社施工の解体業者の方が要望が伝わりやすい
  • 費用を抑えたい場合は分離発注がオススメ

<目次>

  1. 下請け業者が工事をするリスク
  2. 建替えや土地の売却の際の解体工事
  3. 解体工事を失敗しないために

1.下請け業者が工事をするリスク

いざ解体現場に行ってみると依頼者が工事をお願いした解体業者とは違う業者が工事をしているということも少なくありません。

お願いした業者がスケジュールなどの理由で、普段から付き合いのある協力会社に工事をお願いするといった場合があります。

お願いした元請け業者が頻繁に現場を訪れて工事内容のチェックをしっかりしているのであればそれほどリスクはないでしょう。

しかし、工事を下請けに丸投げする業者や、どんな会社かもわからず下請けに工事を回す業者も中にはいます。その場合、残してほしかったブロック塀も解体してしまうなど、元請け業者に伝えていた要望と工事内容が違っていたり、下請け業者が利益を増やしたいがために廃材の処分を適正に行わなかったりというトラブルや問題が実際にあります。

工事を依頼する際は自社施工かを確認し、どうしても他社にお願いをする場合はその理由や工事内容の確認しておく必要があります。

もし解体現場が遠方の場合は、お願いした業者がしっかり管理しているか、工事中の写真をメールなどで送ってもらうようにお願いしましょう。

2.建替えや土地の売却の際の解体工事

ハウスメーカーや不動産業者に既存建物の解体工事を依頼した場合、つながりのある下請けの解体業者に発注します。

この場合、実際に工事をする業者の見積もりに何割かを上乗せして依頼者に提示し、中には下請けどころか孫請けが工事をする場合もあります。その結果、依頼者が負担する金額が高くなってしまいます。

最近では分離発注を推奨するハウスメーカーもありますが、反対に解体工事も受注しやすいように解体費用を安く提示して建築費用にその分を上乗せするハウスメーカーもあるようです。

例えば直接解体業者に依頼した見積もりが120万円で、ハウスメーカーに依頼した見積もりがそれより安い100万円で提示される場合があります。

一見お得に感じますが、実際はそうではないこといが多いです。

従来は中間マージンを上乗せして150万円で提示していたものを100万円にして、建築費用1,500万円にその差額分を上乗せし1,550万円にしていることがあるようです。

1,500万円と1,550万円ではそれほど金額差は感じませんが、解体費用が100万円と150万円の場合では同じ50万円の金額差でも大きく感じます。

直接解体業者に依頼した見積もりが120万円だった場合、それよりもお得に感じてしまいがちですが、トータルで見ると結局解体工事費150万円と同じだけの金額を負担していることになります。

解体の見積もりを取る際は事前にハウスメーカーに分離発注をしてもよいか確認してみましょう。

ハウスメーカーや不動産業者にお願いした方が品質的にも安心と思われるかもしれませんが、自身が他で探した解体業者も普段はハウスメーカーや不動産業者からの仕事を受けているところがほとんどです。そのため品質が落ちるということはありません。

反対に工事内容の要望も直接伝えることができ、解体業者も責任を持って工事に取り組むため、トラブルになりにくいのです。

3.解体工事を失敗しないために

まずは自社施工をしているか確認しましょう。解体業者といっても自社で重機ひとつ持たず、営業会社のようなところも存在します。

現地調査の際はできるだけ立合いをし、担当者がどんな方かを確認するのも業者選びのひとつです。対応や身だしなみはそのまま工事にも反映するといっても過言ではありません。

もちろん限界はありますが様々な方向から見極め、最終的にはご自身が納得できる業者を選びましょう。

まとめ

工事はできるだけ自社施工の業者に

下請け業者になる場合は工事内容の最終確認や元請け業者に工事の管理をしてもらえるか事前時確認することを忘れないようにしましょう。

費用を抑えたい場合は分離発注を

金額差が大きければ浮いたお金で新築の家具や家電を揃えることも可能です。

解体サポートは依頼者と自社施工の優良な解体業者さんの橋渡しの使命も担っております。工事の管理もせず下請け業者に丸投げしたりしないように、提携する際は自社施工を大前提としております。

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