解体工事をする際は事前に届出・申請が必要?

家屋を解体したいからといって、解体業者に依頼をすればすぐに工事に取り掛かれるわけではありません。

事前に各自治体へ届出・申請をしなければなりません。詳細は各自治体によって異なりますが、一定規模以上(解体工事では延床面積が計80㎡以上)の建築物を解体する場合には、建設リサイクル法の対象となるため、届出が必要となります。

では届出はどのように行うのでしょうか。

先読み!この記事の結論

  • 届出、申請は解体業者さんに委任がオススメ。
  • 工事の7日前までに届出を済ませておく。
  • 届出、申請が完了したか、解体業者に確認しましょう。

<目次>

  1. 「建設リサイクル法」とは?
  2. 届出は誰がするの?
  3. 届出はいつするの?
  4. 届出に必要な書類と提出先
  5. 届出をしないと罰則も?

1.「建設リサイクル法」とは?

建設リサイクル法(=「建設工事に係る資材の再資源化に関する法律」)とは、解体工事の際に発生したコンクリートなどの特定建設資材を分別解体し、リサイクルすることを義務付けた法律です。

関連リンク:「建設リサイクル法」

解体業者は分別せずに解体・投棄(=ミンチ解体)すれば違法となり、罰せられることになりました。

さらにこれまでは「土木工事業」「建築工事業」「とび・土木工事業」のいずれかを取得していれば解体工事を行うことができましたが、2019年6月からは建設業許可の業種の中に「解体工事業」が新設されたことで、その許可もしくは解体工事業と登録を事前に受けなければ、解体工事を行うことができなくなりました。

2.届出は誰がするの?

建設リサイクル法の届出は解体業者ではなく、原則として依頼者に課せられる義務です。

一定規模以上(解体工事では延床面積が計80㎡以上)の建築物を解体する場合、依頼者が各自治体の管轄窓口へ届出書を提出することが義務付けられているのです。

解体業者に委任することが可能

原則として依頼者の義務ですが、委任状を作成すれば解体業者が代理で届出することが可能となります。現在では基本的には経験豊富な業者が代理で手続きを行うことがほとんどですので、工事をお願いする際に業者に確認しお願いしましょう。

3.届出はいつするの?

原則として解体工事の着手する日の7日前までに届出を提出しなければなりません。
そのため、解体業者に明日から工事をしてほしいと依頼しても、着工することはできません。
また、解体業者さんが届出に必要な書類を準備する時間も要します。
建替えや土地の売却に伴う解体工事で、期限がある場合は余裕をもって依頼するようにしましょう。

4.届出に必要な書類と提出先

届出は解体業者に委任されるケースの方が多いですが、「施主であるあなたに課せられた義務」ですので、ご参考程度にお読みください。

届出書の提出のために必要な書類と提出先は主に次の通りです。

1.【届出書】

解体したい物件の属する地域の都道府県知事宛ての届出書です。

2.【別表(分別解体等の計画書)】

解体したい物件の材質・構造・解体方法等を記載するための書類ですが工事の内容によって添付書類が変わるためご注意ください。

3.【案内図】

解体工事の予定場所を確認するためのものです。
1:1000~1:5000程度の縮尺の既製地図が使用されることが多いようです。

4.【設計図または写真】

解体したい建物の写真や設計図を準備します。

5.【配置図】

解体したい建物と、その周辺の位置関係を知ることができる図を準備します。

6.【工程表】

解体工事着手から完了までの工程を記載した、言わば「作業スケジュール」。
基本的には以上のようなセットになりますが、細かい必要書類はそれぞれの自治体で異なります。

これら書類の提出先は原則、各自治体の管轄窓口となります。

※やむを得ない事情で窓口提出が困難である場合は、郵送提出も受け付けていることがあります。(ご自身でされる場合は書類に不備がないようご注意ください。)

どうしても窓口提出が難しいという時は、事前に自治体の相談窓口へ相談することをおすすめします。

5.届出をしないと罰則も?

委任した解体業者が届出を怠った場合、その業者に罰金が科せられる場合があります(具体的には「未届の発覚⇒行政指導⇒改善されなければ罰金」の流れ)。

委任状を提出した時点で解体業者に責任が移るため、依頼者が罰せられる可能性は低いですが、不安がある場合は念のため、着工前に「届出はいつ出されましたか?」という旨を聞いてみましょう。

その他にも

【手抜き厳禁!解体工事の事前周知】

届出書の他にも、解体工事の事前周知(関連リンク:「解体工事の事前周知」)が義務付けられている自治体もあります。事前周知の期限は、自治体によって異なるうえ、木造かそうでないかによっても変わりますので、必ず事前に確認するようにしてください。

また、仮に義務付けられていない自治体であったとしても、トラブルの防止や近隣住民の心証を少しでも良くするため、自主的にでも行った方が良いでしょう。

【アスベスト含有建築物の解体工事】

アスベストを含有した建材を含む物件を解体する場合は、法令に則った届出等の義務が生じます。こちらも自治体によって異なりますので、詳しくは各自治体のホームページ等をご確認いただくことをおすすめします。

まとめ

届出は解体業者への委任がオススメ

準備しないといけない書類も少なくないため、経験豊富な業者さんにお願いしましょう。

届出書の提出は工事開始の7日前までに!

7日前の「その日」が日曜や祝日にあたる場合は注意が必要です。届出は解体業者さんに委任されることをおすすめしますが、委任した場合でも業者さんが準備しなければいけない書類が多いため、早め早めの準備、依頼を心がけましょう。

届出、申請が完了したか、解体業者に確認しましょう

届出は原則として依頼主に課せられる義務です。解体業者に委任したからわからないではなく、工事に取り掛かる前に届出、申請が完了しているか確認しましょう。

解体サポートがご紹介する全国の提携業者さんは、建設リサイクル法を熟知している「法令遵守」はもちろんの事、適正価格で良心的な解体業者さんですのでご安心下さい。

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