増え続ける空き家を狙った犯罪!“狙われにくい家”にするために

近年ますますその数を増やしている空き家や廃屋。

言葉だけ聞くと「誰にも使われていない=誰のものでもない?」という風に連想してしまいがちですが、どんな空き家や廃屋も必ず誰かの所有物です。

それにも関わらず、そんな「誰かの持ち物」である建物を我が物顔で荒らしたり、金品をこっそり持ち帰ってしまったりするような人々が、残念ながらここ日本にも少なからず存在しているのが事実です。

「自分の所は大丈夫だろう」と思わずに、今からでも出来る対策を少しでも先回りして行っておきましょう。

近年発生している犯罪

まず、2018年に発生した 空き家を狙った犯罪について、宮城県を例にとってご紹介します。

宮城県では空き家等を狙った侵入窃盗(=空き巣)が増えており、2018年の被害届の数は、8月末の時点でなんと63件にも及んでいます。

室内に保管していた現金や貴金属品、また時計・テレビ・パソコンなどもよく狙われているそうで、特に「家主の死亡」などの理由で放置された空き家の窃盗被害は家族や周辺住民も気付きにくいため、県警も注意を呼びかけています。

空き家の場合は周りがどうにかするという事はなかなか難しいですが、身近に一人暮らしのお年寄りが住んでいる場合などは、少しでも気にかけて声掛け等をしてあげることが何よりの予防策となります。

空き家・廃屋を放置することによって懸念される犯罪

使っていない建物を管理の手が届かないまま放置するのは、下記の犯罪等を引き起こす危険性を常に抱えている状態ということになります。

・火の消えきらないタバコの投げ込みや故意の放火による火災の発生
・脱獄犯の逃げ込み、監禁・麻薬売買などの犯罪の温床化
・布団やライフラインの無断使用、窃盗
・不法侵入・不法占拠
・ゴミの持ち込みや放置による異臭騒ぎ

そして、万が一何かが起こった場合、通常の家屋よりもその犯罪が発見されるまでに時間がかかってしまい、被害が拡大するリスクが跳ね上がるということも覚えておいてください。

自分の建物だけが被害を受けるのならまだしも、火災の発生で周囲に対する賠償責任を負うことになったり、勝手に犯罪者の拠点にされたりして、全国ニュースに流れようものならたまったものではありませんよね。

狙われやすい空き家

空き家はその名の通り「空っぽの家」であることから、人気(ひとけ)が無く 一般的な住宅と比較すると管理が行き届きにくいため、空き巣の標的にされやすくなるといわれています。しかし、「誰も使っていない空き家に手間やお金をかけてまで防犯対策をするのはちょっと…」とためらってしまう方が多いのも事実です。

この少しの油断が、想像もつかないような大きな被害をもたらす原因になってしまうのですが、とはいえなるべくコストをかけずに対策をしたいところですよね。

まずは「こんな空き家が狙われやすい」という特徴を押さえ、最低でも「定期的に人の手が入っているな」と感じられるような外観を目指しましょう。

そのためには、「長期間、人の出入りがない」と思わせるような状態、つまり、

・窓ガラスが割られたまま、明らかに長時間放置されている
・チラシがポストから溢れ出してしまっている
・庭の草木が伸び放題で、手入れされた痕跡がない

というような「荒れた雰囲気」を排除することが最優先となります。

今からでも出来る!空き家の防犯対策

すでに割れてしまった窓ガラスは交換するしかありませんが、まだ被害を受けておらず、かつ侵入経路になりそうな窓ガラスに何の対策もしていないのなら、手始めに防犯フィルムを貼っておくことをおすすめします。

ポストのチラシは、すでに入っている分は一度全て回収し、その後はテープなどでしっかり口を閉じてしまいましょう。「チラシお断り」といったメッセージも目立つように添えておけば、チラシでいっぱいの状態になる心配はせずに済みます。

雑草の手入れに関しては、時間がかかる割にすぐ成長してしまい、徒労感を覚える方も多いかもしれません。そんな時は(当面はその土地で植物や作物を育てる予定が無い場合に限りますが)、除草剤を散布するという手もあります。

その他、手書きでも十分ですので「定期的に管理しています」などと書き記した看板を掲げておいたり、「防犯カメラ設置中」のステッカーを貼っておいたりするなど、とにかく「誰かが見ている」というメッセージの伝わる要素を盛り込んでみましょう。

これに加え、もう少し予算をかけられるのなら、人が近くと自動的に光るセンサーライトや本物の防犯カメラを設置してしまえば、万が一の時も証拠になるので安心です。

このように、「誰かに見られている・撮られているかもしれない」「急に家主が帰ってくるかもしれない」と不審者に思わせる状態を維持することが最大の対策ポイントです。

どうしても管理できない、という場合は…

比較的簡単に出来る防犯対策をご紹介しましたが、管理すべき空き家が遠方にあり現地へ向かうだけでも一苦労だという方や、所有者の高齢化により今後定期的な管理が難しくなる、といったケースも少なくありません。

そのような場合は、無理せず空き家の管理専門業者に相談することが一番の近道です。

解体サポートでは、このような空き家管理に関する相談も日々お受けしておりますので、ご相談者様の地域周辺で最適な専門家をご紹介することも可能です。

どうぞお気軽にご相談ください。