改正マンション建て替え円滑化法とは

改正マンション建て替え円滑化法とも呼ばれる、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律」が平成26年12月24日に施行されました。

ポイント

1.「マンション敷地売却制度」の創設

改正された最も大きな点は、耐震性が不足した老朽マンションの再建を促すため、建物と敷地の一括売却をしやすくする制度「マンション敷地売却制度」が創設された事です。
マンションと敷地を売却するには今までは区分所有者全員の同意が必要でしたが、この新制度では、耐震性が不足しているマンションに限り、5分の4以上の賛成で可能になりました。

「マンション敷地売却制度」の創設

つまり、建て替えに反対する区分所有者が5分の1(20%未満)なら、マンションの建替え工事が出来るようになりました。

ただしこの制度の適用を受けるには、上記の「耐震性の不足」がポイントで、建物の耐震診断を受けて、特定行政庁から「危険な建物のため解体が必要」という認定を受ける必要があります。

2.容積率の緩和優遇措置

耐震性不足の認定を受け、建替えにより新築をするマンションについては、一定の条件を満たせば、特定行政庁の許可により容積率制限が緩和されます。
つまり今までより戸数の多い、あるいは床面積の広いマンションに建て替えられるようになりました。

容積率の緩和優遇措置

国土交通省によると、全国の既存マンションは約590万戸でそのうち1981年以前の旧耐震基準で建設されたのは約106万戸に上ります。


巨大地震発生に備えるために、耐震性が不足しているマンションの耐震化促進が喫緊の課題とされています。